電子ブレーカーを導入するにあたり、各種計測機器を使用して電流値の計測を行ないます。

計測方法としては、ロガーを使用する方法とクランプを使用する方法があります。

日常的に稼働頻度の少ない機械設備に対してはロガー測定が有効手段となります。
例を挙げると、マンション共用部の雨水、排水ポンプ、油圧エレベーターの暖気運転等が該当します。

また、製パン業や洋菓子業などで使用するオーブンは、オーブンの使用開始時刻が早い点や、オーブン内の温度上昇に伴い、長時間に渡り電流値が激しく変動する機械設備であることを考慮すると、やはりロガー計測が有効手段となります。
 

一方、クランプメーターは電流値の並が少ない機械設備を保有されている事業所に向いています。具体的に解説すると、どんな状況下であれ、負荷が一定すると予測可能な設備を指します。
例を挙げると、ガソリンスタンドや自動車工場に併設されるリフトが良い例になると思います。持ち上げる車両重量によって負荷は変動しますが、用途として普通乗用車を対象としているため、車両重量は大きく変わらないため負荷はそれほど変わりません。
突如、リフトを使用する対象がトラックに変わるなど車両重量増加により負荷が大きくなるリスクを仮定したとしても、リフトの使用用途が乗用車対象であることさえ確認を取れば負荷の変動は最小限で収まります。
しかし、タワー型の立体駐車場規模になると別問題です。入庫率１００％時の負荷、入庫率２０％時の負荷は全く異なり外観から確認が取れません。このような場合は、ローガ―データに加え、お客様に入庫率１００％時の日時実績開示協力が必要です。このような機械設備に対してクランプ計測を行なうのは素人の考え方です。充分なデータと情報のないままクランプで電子ブレーカー容量選定を行なえば確実に遮断されます。
車両重量で例えましたが、同じように金属加工の機械設備でも加工物質の硬度によって全く負荷が異なります。いずれにしても、電流値の計測は負荷を含めて多角的視点から判断する専門知識が必要となります。